![]() Manfredo Fest Trio |
World-Brasil-Jazz Samba : ★★★★★
マンフレッド・フェスト・トリオ、1965年のサードアルバム。1964年、軍事政権が誕生したことに伴いブラジルの文化は大きな変革を迫られることとなった。音楽もその例外ではなく、ボサノバの潮流は一気にブラジル本国から一掃されてしまう事になった。
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このことによりメインシーンに躍り出てきたのがエリス・レジーナやナラ・レオン、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル等、MPB(エミ・ペー・べー)のアーティストだった。ボサノバからMPBへのブラジルの主要音楽シーンの過渡期といえる。その一方で、リオ・デ・ジャネイロを追われたボサノバ音楽家達はサンパウロへと移っていき、ジャズサンバに代表されるピアノトリオへとその関心が移っていくようになっていった。この時期タンバ・トリオ、ジンボ・トリオ、ミルトン・バナナを始め多くのアーティストがサンパウロを拠点に活躍していた。
一方、マンフレッド・フェストはピアニストの父親の指導の下5歳からピアノに向かい、1960年代に音楽シーンに登場するようになる。当時のアイドルは自分と同じように視覚に障害を持つジョージ・シアリングやレニー・トリスターノだったようだ。そして1963年のデビューアルバム「Bossa Nova,Nova Bossa」、「Evolcauo」に続いて発表されたのが本作「Manfredo Fest Trio」である。ギター奏者からベースに転向したマチアス・マットス。フローラ・プリムのバックも担当していたドラムのエルトル・ゲイ。この3人で臨んだ本作は、エドゥ・ロボの初期の傑作「祈り」、マルコス・ヴァーリ/パウロ・セルジオ・ヴァーリの「サマー・サンバ」、ロベルト・メネスカル/ロナルド・ボスコリ作曲の「あなた」、バーデン・パウエル/ヴィニシウス・ジ・モライスの「コンソラソン」といった、ボサノバ時代の数々の名曲を織り交ぜながら、軽快かつ流れるようなリズムで熱くスリリングな演奏をみせている。
また、9曲目「So Voce」では元々テナーとアルト・サックスも学んでいたマンフレッド・フェストのサックスプレイや、元々ギタリストだったマチアス・マットスのギターを聴く事も出来る。そして一際物悲しくも美しいセルジオ・リカルドの「悲しみが訪れない間に」に続く。この曲はエリス・レジーナがジャイール・ロドリゲスと組んで作成した企画物「Dois Na Bossa」シリーズの2作目(Numero2)のメドレーにも収録され、涙を誘うアレンジが息を呑む名曲である。
サンパウロを基盤にしたジャズサンバの流れ。その中でもひときわ美しく輝いていたマンフレッド・フェスト・トリオ。この機会にお聴きになってみてはいかがだろうか。
Manfredo Fest : pianista,sax Mathias Mattos : bass,violao Heitor Guy De Faria Mariz : Bateria
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