World-Brasil-Guitar : ★★★★★
バーデン・パウエル、1971年のドイツCBS移籍後初作品。
「孤独」と題された本作品。果たして何が孤独なのだろうか。
バーデン・パウエルは名実ともに唯一無二のギタリストで
そのオリジナリティーは他のどのギタリストとも趣を異にする。
素晴らしい技巧を駆使し、卓越したリズム感の元作り上げる
世界観は孤高と呼ぶにふさわしい。それ故にこそこの作品を
作り上げるバーデン・パウエルは孤独でもあるといえる。
しかし、一方で1960年代前半にヴィニシウス・ジ・モライス
等と渡欧した時とは違い、1960年代後半の欧州での生活は
ひどく孤独なものだったのかもしらない。私生活においても
健康面においてもひどく状態を悪くしたバーデン・パウエルは
音楽活動までも縮小せざるをえない状態にまで陥っていた。
2000年に既に亡くなったバーデン・パウエルの心中を顧みる
ことはもはや出来ないが、残された録音を聴くことで彼の胸中
に少しでも肉薄することは出来るような気がするのだ。
アルバム全体を多い尽くす、切なく物悲しげで、それでいて
甘美な空気。時折入るジョアキン・バイス・エンキーヒのドラムと、
エバーハルト・ウェーバーのベース以外は淡々と続くギター・ソロ。
これこそ「Saudade(サウダージ)」なのだろうか。とすれば、
孤独であるが故にこの独特の情感が生まれてくるのだろうか。
ポルトガル語以外の言語には存在しない、
「以前有していたが今は失ってしまったものを思う甘美なる郷愁」
と例えられる情感を表す言葉「Saudade」。
ドイツの地で感じさせられたこの情念は
望郷の念に駆られてますますつのっていったのではなかろうか。
| 1.Introducao Ao Poema Dos Olhos da Amada 恋人の瞳 2.Chara シャラ 3.Se Todos Fossem Iguais a Voce 君への面影 4.Marcia, Eu Te Amo いとしのマルシア 5.Na Gafieira Do Vidigal 場末の酒場で 6.Komnt Ein Vogel Geflogen カモメの飛翔 |
7.Fim da Linha (End of the Line) 小さな終着駅 8.Shadow of Your Smile いそしぎ 9.Brasiliana ブラジリアーナ 10.Bassamba バサンバ 11.Por Causa de Voc あなたゆえ 12.Solitario 孤独な旅 |
Baden Powell : acoustic guitar
Eberhard Weber : bass Joaquim Paes Henriques : drums
Eberhard Weber : bass Joaquim Paes Henriques : drums

banner_03.gif)
気になりつつどのCDを買って良いのかと思い時は過ぎ・・・
これにします〜♪
バーデン・パウエルは名盤を何枚も出しているので選ぶのに迷いますよね。このアルバムはヨーロッパ時代のものでドイツで録音されたものです。「孤独」というタイトルが示すように非常に寂寞とした世界が広がっています。でも、その荒涼とした世界観は聴くものを離さない魅力をも持っています。どうぞお聴きになってみてください。
孤独…寂寞…今の私の心境に似ている気が・・・
でもそれは陰へ向かうのではなく・・・ww
自分もあまり詳しくないので説明が難しいのですが、いわゆるポルトガル語特有の情感「saudade(ポルトガルではサウダーデ/ブラジルではサウダージ)」と呼ばれる「以前は有していたが今は失ってしまったものに対する甘美なる哀愁・郷愁」の表現の一つの形がこの作品なのかもしりません。今、ポルトガル語圏の音楽を少しずついろいろ聴いているところです。少しでもこの「saudade」の理解に近づければと思っています。
あいかわらず勉強になります。
バーデン・パウエルというとアフロブラジルものが代表作といわれますが、このヨーロッパ時代の作品もなかなか秀逸だと思います。寂寥感に満ちたほとんどギターのみの演奏といってよいような小づくりな音は誰しも胸を締め付けられるような気持ちにさせられると思います。よろしかったらどうぞお聴きになってみてください。