ビル・エヴァンスのピアノトリオにより1977年8月、
ハリウッドのキャピトル・スタジオにて録音され、1980年の
ビル・エヴァンスの死後1981年に発表されたアルバム。
メンバーはビル・エヴァンス(p)、エディ・ゴメス(b)、
エリオット・ジグモンド(d)の3人。
ビル・エヴァンス(p)ポール・モチアン(ds)スコット・ラファロ(b)
特にビル・エヴァンスとスコット・ラファロとの掛け合いが
「ビル・エヴァンス生涯最高のバンド」と絶頂期の評価高い
ピアノトリオが、1961年スコット・ラファロの交通事故死
を契機に自然消滅的になくなってしまう。
その後、紆余曲折の後に1966年加入のエディ・ゴメス(b)、
1976年加入のエリオット・ジグモント(d)のトリオ編成で
録音されたのが本作「You Must Believe In Spring」である。
麻薬常習者であったビル・エヴァンス(主にヘロインだったらしい)
がそのプレイに執拗なまでに内省的な側面を見せるようになり
激しいまでに葛藤をむき出しにするようになった時期でもある。
ミシェル・ルグランの名作「You Must Believe In Spring」を
タイトル曲に据え、ジョニー・マンデルの「Suicide is Painless」
(映画「M★A★S★H」のテーマ曲)をエンディングトラック
にした構成の中にオリジナル曲の「B Minor Waltz(For Ellaine)」
「We Will Meet Again(For Harry)」が挿入されている。
「B Minor Waltz(For Ellaine)」のエレインはビル・エヴァンスの
最初の妻。この時期にビル・エヴァンスはエレインと別れることに
なるが、その直後にエレインは地下鉄に身を投げ自殺してしまう。
また、「We Will Meet Again(For Harry)」のハリーは実の兄。
ピアノ教師をしていた彼もまた銃によって自殺してしまう。
激しくもはかないビル・エヴァンスの人生。彼の内省的なピアノ
プレイはそれを反映してかよりペシミスティックになっていく。
悲劇の連鎖はやがて訪れるビル・エヴァンスの薬物中毒死へと
つながっていく。
あらゆるビル・エヴァンスの作品のなかでも最も破滅的な美が
表されている作品ではないかと思う。
| 1.B Minor Waltz (For Ellaine) 2.You Must Believe in Spring 3.Gary's Theme 4.We Will Meet Again (For Harry) 5.Peacocks |
6.Sometime Ago 7.Theme from M★A★S★H (Suicide Is Painless) 8.Without a Song [#]* 9.Freddie Freeloader [#]* 10.All of You [#]* |
Eddie Gomez : bass Eliot Zigmund : drums
リンク1:ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング
リンク2:ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング
リンク3:ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング
リンク4:ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング

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私もこのCDはよく聴きます。
特に今時期のきりっと晴れ上がった冬の日に聴くと、美しさが際立つようで。
ロマンティストでセンティメンタリスト過ぎやしないか?と思っている17歳の息子のお気に入りでもあります。
この作品はその背景と同様に、刹那的で破滅的な美が描かれていると思います。しかし、それであるからこそまばゆいばかりの妖しい美しさを持っているのでしょう。兄と離婚した妻の自殺、スコット・ラファロの事故死、ビル・エヴァンスを取り巻く環境は残酷なまでに彼を追い詰めていったのでしょう。悲劇の連鎖はやがてビル・エヴァンス自身の身にも降りかかってくるその寸前の作品。内省的な彼の究極の美がここに表現されているのです。
ビル・エヴァンスの音はよく日本人の心に特に響く等といわれますが、繊細で刹那的な美しさは日本人のみならず多くの心を魅了するものではないかと思います。彼の人生は終盤に悲劇の連続に襲われますが、自らの悲劇をも昇華して音楽へと変えていった様こそ悲劇ともいえるでしょう。しかし、彼の作品はこうして現在に残されているのです。妖しいまでの光を放って。
TB、ありがとうございます。ビル・エヴァンスのこの作品は聴いたことがありません。早速、買いに出かけようと思うのですが、最近CDショップにいくと、ついつい買いすぎてしまい、聴いていないCDが山積みになって困っています。年末の大掃除どころでなく、家人からはあきれられています。
これからもよろしくお願いいたします。
kenyama
これは、かけねなしに良いレコードですよね。
こちらからもTBさせていただきます。
Jazz素人の私にとってこのようなすばらしいTBはまさに僥倖であります、Jazzは大変好きなんですが、通り一遍しか知らないのでたまにこのようなすばらしいアルバムにめぐり合うと、何年も生き延びた気がします。
ビル・エヴァンス、非常に良いですねー、ハードなJazzではないですが、初心者にはすごく聞きやすく、ムーディで実にエレガントです、あと好きなのはオスカー・ピーターソンですか、あのアドリブは私が今まで聞いた中ではピカイチです。最近はダイアナ・クラールなどのボーカルを少々かじっております。
ぜひともこのblogを参考に、またいろいろ聴いてみたいと思います。
分かりますw実はこの年の瀬、大掃除をしなければならないのですが机の上にはCDの塔が8つも。数えてみたら一番高い塔は28枚もありました。おそらく100枚以上は机上にあるのでしょうね。。。
この作品はスコット・ラファロのいた黄金期にはない魅力がありますよね。「掛け値なしによい作品」同感です。
白人によるジャズを構築したアーティストというとビル・エヴァンスとスタン・ゲッツが代表的だと思われますが、ビル・エヴァンスのジャズはラヴェルやドビュッシーといったひときわ繊細で透き通るような音色を持ったクラシックに強く影響を受けていたことが特徴だと思います。ジャズだからスイングしなければいけないとか、そんなことは全く感じさせないビル・エヴァンスの演奏はある意味異端であったかもしりませんが、一つの芸術を作り上げたという意味でジャズという枠組みすら超えた存在ということも出来るかもしりません。