ロマ(ジプシー)音楽、インド音楽、そしてジャズ。これらの異質な音楽
に精通している、そしてそれを下地に独自の音楽世界を創造する。
ガボール・ザボの持ち味は他の誰にもまねの出来ない極めて独特な
世界観にある。一見して極めてエスニックな音楽が出来上がるかと
思ったら間違いであって、得もいわれぬような表現から生み出される
グルーヴ感は普遍性を有しているといわざるを得ない。人はこの音に
触れる時、やっと目が覚めたような思いにかられることだろう。
ブルーサム・レーベルに音源を残して以来しばらく音沙汰のなかった
ガボール・ザボがインパルス時代からの盟友であるクリード・テイラー
率いるCTIレーベルに移籍し最初に録音された音源が本作である。
クリード・テイラーの目指すイージーリスニング的なジャズとして正に
うってつけのガボール・ザボ。ジョン・マクラグリン、グラント・グリーン
ジョージ・ベンソンなど大物ギタリストを抱えるCTIレーベルが更なる
鉄壁の布陣をひいた事を意味する。
ガボール・ザボ自身もCTIレーベル移籍によりボブ・ジェイムスという
アレンジ・指揮、さらにはピアノオルガンまでこなす逸材と巡り会い、
その才能を更に飛躍させ、遺憾なく発揮することになる。
1曲目「ミズラブ」、2曲目「サーティーン」がオリジナル曲なのに対し
それ以降全てカバー曲になっている。3曲目の「小さな愛の願い」は
キャロル・キング、「ピアノ協奏曲第2番」はショスタコヴィッチ、そして
「夏のそよ風」はジェイムス・シールズ&ダッシュ・クロフツのもの。
ピアノ、オルガン、アレンジ担当のボブ・ジェームスを始め、ベースは
ロン・カーター、ドラムはビリー・コブハム及び、ジャック・デジョネット。
フルートはヒューバート・ロウズそしてトランペットにマーヴィン・スタン
トロンボーンにウェイン・アンドレなど、鉄壁のCTIミュージシャン陣が
ガボール・ザボをサポートしている。これは聴かなければならない。
| 1.Mizrab ミズラブ 2.Thirteen サーティーン 3.It's Going to Take Some Time 小さな愛の願い |
4.Piano Concerto No.2 ピアノ協奏曲第2番 5.Summer Breeze 夏のそよかぜ |
Bob James : piano/organ/arrenge/conduct
Ron Carter : bass
Billy Cobham : drums Jack Dejohnette : drums
Hubert Laws : flute Wayne Andre : trombone
and etc.

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既に故人であることが残念でなりません。一度でも彼の生音を聴いていたら人生が変わっていたのではないか、とすら思います。少しずつ再販が出てきたようなのでこのまま多くの遺作が出回ることを希望します。