![]() O Primeiro Canto |
World-Portugal-Fado : ★★★★☆
ドゥルス・ポンテス、1999年発表、通算5枚目のアルバム。アマリア・ロドリゲス後世代のファドを牽引するアーティスト、ドゥルス・ポンテス。彼女のスピリチュアルで抑揚のあるヴォイスは、ファドの垣根を越え独自の世界を築きはじめた。 |
前作から始めた作詞作曲の活動も2作目となり彼女の創造性を十分表現出来るようになってきたようだ。この作品で描かれているものは「裸」といえよう。少々表現に付け加えさせていただくなら、それはあらゆる付加的要素を取り払った根源的な美だ。あらゆる感情、いや、感覚を研ぎ澄ませ、何の装飾も付け加えずに表現する。本来当たり前の事とはいえ、現代においては実験的とも思われる試みがドゥルス・ポンテスによって行われたのだ。
世界各地のアーティストの参加もポルトガル文化に固執せず、人間そして自然の一環としての根源的な美を表現するのに大きな役割を演じている。ウェイン・ショーター、ジャキス・モレレンバウムを始めゲストアーティストの数は枚挙に暇がないが、根源的な美を追求する試みに有名アーティストの名は関係ない。肩書きをとった裸のソプラノサックス奏者やセリストがいるだけなのだ。
実験的な試み故、いわゆるファドを期待すると全く違う音が鳴り響く事になると思う。しかし、良いではないか。アマリア・ロドリゲスという偉大な先人を得たファド界の新しい動きが、単なるアマリア・ロドリゲスの模倣になるはずはない。それまで取り組む事さえ拒まれたファド界の新しい潮流。試行錯誤の連続からより一歩踏み出した音が生まれてくるのかも知らない。
余談だが、ウェイン・ショーターは飛行機事故で亡くなった亡き妻アナ・マリアがドゥルス・ポンテスを好んで聴いていたようだ。今回の参加もその辺に関連があるのかもしらない。
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