リシャール・ガリアーノが1985年に出した初リーダー作。デューク・ジョーダンの「Jordu」に感銘を受けて以来ジャズへと傾倒していった少年時代。アストル・ピアソラと出会う直前に作られた本作は音楽的にその延長上にあり、「アコーディオンをいかに現代ジャズ/フュージョン界で演奏するか。」ということに主眼が置かれていた。
後にアストル・ピアソラと出会い「アメリカ音楽シーンに追従することよりも、いかにオリジナルな音楽を追求していくか。」の大切さを指摘され、独自のミュゼットを構築していくことになるのだが、本作ではそれ以前のフュージョン時代の音を聴くことが出来る。
アコーディオンやシンセサイザー・アコーディオン、シンセサイザーを駆使した音作りにボサノバやサンバ調の音も取り入れた作風は、正にクロスオーヴァー的でコンテンポラリーなフュージョンサウンドである。本作の後リシャール・ガリアーノの作品はアコースティックサウンドにその舞台が移っていくので、エレクトリックサウンドを聴くことが出来るという意味で本作は貴重な音源であるといえよう。
1993年にリシャール・ガリアーノがフランスのドレフェスレーベルと独占契約を結ぶに当たって本作はリプレスされることとなった。リシャール・ガリアーノの音楽活動の初心である「アコーディオンの現代音楽シーンにおけるレゾンデートルを探す。」という試み。その最高傑作が本作でありこの作品で聴くことが出来る。
尚余談だが、その後の作品「フレンチタッチ」でもブラジルフュージョン界の重鎮エルメート・パスコアールの「Bebe」を取り上げたりするのだが、リシャール・ガリアーノのブラジルへの思いは結構強いらしい。アコーディオンを志したきっかけとなったアーティストとしてアート・ヴァン・ダム、マルセル・アゾーラに次いでブラジルの奇才アコーディオニストであるシヴーカを挙げている。本作にブラジルテイストの音楽を取り上げたのもその辺に由来があるのかもしらない。
| 1.Sexy Dream 2.Honey Fingers 3.Ballad Pour Marion 4.Every Time You're Near |
5.Tea For Toots 6.MF 7.For Lolo 8.Spleen |
Frank Sitbon : piano,synthesizer,vocal
Jean-Marc Jafet : bass Luiz Augusto : drums,percussion
Eric Giausserand : bugle Denis Leloup : trombone
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