サローキ・アーギ、2005年のソロ2作目のアルバム。ベシュ・オ・ドロムやマカームでの活躍が有名なサローキ・アーギだが、本作では民謡をジャズに編曲し歌っている。バックを務めるのはバチョー・クリストフ(ts),ラム・ダーヴィド(g),バラージ・ヨーゼフ(p),デーシュ・アンドラーシュ(perc),バルツァ・ホルヴァート・ヨーゼフ(b)によるクインテット。
ハルガトーと呼ばれるハンガリー民謡の中でも格別哀愁漂う選曲がされた本作は、ブルージーなジャズアレンジによって上手く曲の情感を出しているといえる。
しかし、そんなことはこの作品の魅力の一片にも触れたとはいえないだろう。そんな音楽家なら誰でも出来るようなアプローチとは全く異なる要素がこの作品には隠されているように感じるのだ。
正直、初めて聴いた時の印象は良くなかった。トラッドをジャズで弾くだけの作品かと思ってしまった。しかし、ふとしたことで再び手にとって見ると、それからは何かに憑かれたかのようにこの作品ばかり聴くようになってしまった。
ジャズといっても東欧のエッセンスが込められたアレンジはちょっと独特でユニーク。これはこの作品の魅力の一つだと思う。ヴォーカルとギターの一風変わったユニゾンなどはそんなちょっと面白いアレンジテクニックの一つかもしらない。
一方サローキ・アーギの歌唱だが、これがなんと言うか一瞬物凄くヘタに聞こえる。細かいビブラートはピッチが不安定であるかのように聴こえるし、スラーを多用するので聴いていて気持ち悪ささえ感じる。しかし、この第1印象が2度目に聴くと払拭され、一気に官能の世界に引きずり込まれてしまう。
聞き込むほどにこの世界に飲み込まれていってしまう。
これはもしかしたら大傑作といえるかも知らない。
まずは7曲目の「Kinek Van,Kinek Nincs...(中庭には胡桃の木)」からお聴きになって頂きたい。
| 1.Napszallatja,Napnyugta (赤錆色の夕暮れ) 2.Te Merel E Luma (消えてなくなればいいのに) 3.Elrepult A Vandormadar... (渡り鳥は東から) 4.Mi Lennek? (どうすればいいの) 5.Kit A Banat Elert... (昔日の痛み) |
6.Vegigmentem,Vegigmentem... (私の道を行く) 7.Kinek Van,Kinek Nincs... (中庭には胡桃の木) 8.Diofanak Harom Aga... (胡桃の木の三本の枝) 9.Kovecses Ut Szelen... (路傍には寂しい鳩が) 10.Magyarozdi Toronyalia 11.Napszallatja,Napnyugta (赤錆色の夕暮れ) |
Amazon紹介ページはこちら

(180).jpg)
banner_03.gif)