ジョアン・ボスコが1986年から2001年までの間にCBS(現Sony Music)に残したライブ盤を含む全9作品。その中から16曲をセレクトして1枚にまとめたベスト盤が本作である。コンビを組んでいた作詞担当の詩人アルヂール・ブランキとの活動末期、そして1989年以降アルヂール・ブランキとのコンビを解消し作詞もジョアン・ボスコ自身が担当するようになった過渡期の時期だけに凄まじいエネルギーが詰まった作品群から選ばれた16曲である。
ベスト盤ゆえに曲順に関してはストーリー性に欠ける。しかし、そのデメリットを差し引いても余りある魅力の詰まった選曲で多くのアーティストがカヴァーした作品だけに、この時期のジョアン・ボスコが好きな方はもちろんMPBを初めて聴く方にも十分おすすめ出来る作品だと思う。
全体的に潤沢に水を湛えた甘く官能的なアレンジとなっており初期のジョアン・ボスコに見られるような乾いたサンバのイメージとは異なる。よりコンテンポラリーなフュージョンサウンドが展開している。1曲目の「Jade(翡翠)」やエリス・レジーナがカヴァーした6曲目「Corsario(海賊)」等はその典型で、いやらしいまでの妖艶な楽曲が展開する。
おもしろいのは曲の中にワンフレーズ違う曲を入れたりするジョアン・ボスコ得意の"遊び"の部分。パゴーヂとゴスペルを合成した造語である3曲目の「Pagodespell」では「Bahia com H」、ジルベルト・ジルのカヴァー曲である13曲目の「Expresso 2222」では「E.T.」のテーマ、エリス・レジーナのカヴァーが有名な「O Bebado E A Equilibrista (酔っぱらいと綱渡り芸人)」ではチャップリンの「Smile」が用いられている。他にもあるので後は実際にお聴きになって確かめて頂きたい。
それにしてもジョアン・ボスコは素晴らしい。本来彼の特徴的な弾き語りのスタイルはバックの演奏を必要とするものではないが、エレクトリックサウンドを取り入れれば、そして一方でストリングスを組み込めばそれぞれガットギター一本で柔軟に対処してしまう。圧巻というより他は無い。これを聴いてジョアン・ボスコに触れた方は、是非オリジナルの作品もお聴きになっていただきたい。
| 1.Jade (翡翠) 2.Trem Bala (トレン・バーラ) 3.Pagodespell (パゴヂスペル) 4.Desenho de Giz (チョークで描いた絵) 5.Zona de Fronteira (国境地帯) 6.Corsario (海賊) 7.Quando O Amor Acontece (愛が目覚める時) 8.Papel Mache (紙人形) |
9.Arpoadora (アルポアドーラ) 10.Memoria da Pele (メモーリア・ダ・ペリ) 11.Se Voce Jurar (君が誓うなら) 12.Enquanto Espero (エンクアント・エスペーロ) 13.Expresso 2222 (エスプレッソ 2222) 14.Odile Odila 〜 Zona de Fronteira (オヂレー・オヂラー〜国境地帯) 15.As Mil E Uma Aldeiras (千と一の集落) 16.O Bebado E A Equilibrista (酔っぱらいと綱渡り芸人) |
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ジョアン・ボスコ、私も彼のクセのある音楽、
大好きです。一度聴いたらボスコワールドに
はまりますよね。こちらのベスト版も是非
入手したい一枚です!
お返事遅くなりました。ジョアン・ボスコはたった一人で様になるとても貴重なアーティストだと思います。また来日してくれないかなと思っています。