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World-Brasil-MPB : ★★★★★
ジャイール(ジャイルジーニョ)・オリヴェイラ、2003年リリースの4thアルバム。アルバム全体に渡ってアコースティックギターを用いているのが1つの特徴といえる作品。しかし単なるアンプラグドものとは異なり、様々なリズム、ブラスセクション、ストリングス、打ち込みといった趣向を凝らし、アコースティックギターの可能性に果敢に挑戦した広がりのある音世界を構築している。 |
ファンキーなサンバソウルあり、メロウなバラードあり、ジャズやボサノヴァテイスト溢れる曲あり、クラブミュージック調の曲やアフロブラジルへのアプローチもみられる。それらがアコースティックギターを使用することによって少しも趣向が変えられることなく、むしろ圧倒的なグルーヴ感を生み出し次々に聴く者の前に提示される。既成のジャンルに強引にアコースティックギターを使用したという印象は感じられない。アコースティックギターの個性が失われているわけではなく、今まであまり聴いたことのないような創造力溢れる使われ方がされている。これによって既成のジャンルのエッセンスを用いた新たな音のうねりが生み出されている。
アコースティックギターの話が長くなってしまったが、音楽の中に融和しているアコースティックギターの音はこの作品を聴く上で本来重要ではない。アイデア溢れる使い方をしてはいるが、そこに重きを置いた作品ではないのだ。むしろ各パートが統合性を持って存在しており、相乗的なエネルギーを放出している。決してギターが浮いた作品ではない。セザル・カマルゴ・マリアーノ(phodes)、オットー(vo)、カジュー&カスターニャ(vo)がゲストとして呼ばれ、このうねりの中に一つの個性を発揮している。
奥が深い故に多少難解さも持ち合わせているともいえる。ジャンルもなんと表現したら良いか良く分からない。しかし、難しい事をやっていてもジャイール・オリヴェイラ独特のセンスで、聴いていて疲れるような印象は全く抱かせない作品に仕上がっている。圧倒的な完成度を誇る名盤の名にふさわしい傑作といえる。最後になるが、Tramaレーベルから本作の続編とも思われる「3.2」という作品がWeb上で公開されている。よろしかったらこちらも合わせてお聴きいただきたい。→こちら
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