ロベルタ・サー(ホベルタ・サー)、2005年リリースのファーストアルバム。ロベルタ・サーは極めてしなやかで清涼感のある歌声を持っているが、ブラジル北東部生まれだけありMPBアーティストの中でも豊かなリズムセンスを持ち合わせたアーティストといえると思う。それがリオデジャネイロの生活を経て都会的で知的な要素を兼ね備えた。ペドロ・ルイス、パレージ、ネイ・マトグロッソ、MPB4の参加も華やかな彩りを添える。ロベルタ・サーはアルバム作成当時24才。期待の大型新人の登場だ。
日本でブラジル音楽というと、圧倒的にリオデジャネイロの音楽が幅を利かせている様に感じる。しかし、広い国土を持つブラジル。各地域によって様々な文化があり、好まれる音楽も全くといっていいほど異なる。ブラジル北東部(ノルデスチ)はポルトガル植民地時代に奴隷としてブラジルにつれてこられたアフリカ人の子孫が多く住む地域として知られている。そのためアフロブラジルと呼ばれるアフリカ系ブラジル文化が根付いている。
世界各地にアフロ文化が根付いているが、音楽的側面から見ると打楽器と歌のみによる演奏が中心となった音楽が多い。西洋音楽が和音の研究に力を入れたのと対照的に、アフロ音楽ではリズムが中心となった音楽が発展した。近代になり無調音楽等が展開されるようになると、西洋音楽の和音研究に行き詰まりを感じるアーティストが多数生まれた。その多くは優れたリズムを有するアフロ音楽や、更に再分化された音世界である微分音を有するインド/イスラム音楽等へ傾倒していった。
リオデジャネイロの音楽は西洋音楽的側面で非常に洗練された音楽が多い。しかし、それが音楽として確立するに当たって多くの場合アフロ文化が介入している。自分の音楽を表現するリズムを求めていたアントニオ・カルロス・ジョビンがバイーア出身のジョアン・ジルベルトと出会いボサノバが生まれたように。あるいは、バーデン・パウエルやエグベルト・ジスモンチが更なる発展を求めてアフロ文化に身を投じたように。
ロベルタ・サーはアフロブラジル文化の中で生まれて、リオデジャネイロの西洋音楽に囲まれて育った。音楽的に非常に豊かで恵まれた成長過程を辿ったと思って良いと思う。美しい歌唱を持ち、洗練されたカフェミュージック様のお洒落な音楽を展開しているが、それが消費音楽として終わってしまわないものを感じさせるのは、北東部のアフロブラジルのリズムを感じさせるからだと思う。非常に面白い。
| 1.Eu Sambo Mesmo 2.Pelas Tabelas 3.No Braseiro 4.Casa Pre-frabricada 5.Lavoura |
6.Ah! Se eu vou 7.A vizinha do lado 8.Valsa da Solidao 9.Cicatrizes 10.Olho de Boi |
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そうなんですよ。才色兼備とはこのことを言うのでしょう。
このアルバムはすごく気に入ってかなり聴いています。ホベルタ・サーはかわいらしいですよね。歌手としての潜在能力も高く思います。これからどんどん伸びていくのではないでしょうか。ライブレポート楽しみにしています。