![]() Essa Mulher |
Brasil-MPB : ★★★★★
エリス・レジーナ1979年の録音で、邦題は「或る女」。後期の最高傑作といって構わないだろう。長く在籍 し数多の名盤を残したフィリップスからワーナーへの移籍後初となる作品。当時の夫セザル・カマルゴ・マ リアーノが奏者兼副プロデューサーとして参加している。タイトル曲の「或る女」がエリス・レジーナによ って取り上げられた事で作者ジョイスがスターダムにのし上がったのは有名な話。
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本作「或る女」には唐辛子とあだ名されたエリス・レジーナの姿があるだけではない。アルバム全体として徐々に寂しくもしっとりした曲調になっていく。まるで1982年に突如訪れる別れを示唆するかのように。1曲目のバーデン・パウエル作曲「サンバに夢中」などは寧ろそのための布石といえるのかもしれない。前半のクライマックスは2曲目ジョアン・ボスコとアルヂール・ブランキによる「酔っ払いと綱渡り芸人」、そして3曲目ジョイスによる「或る女」によってもたらされる。
「酔っ払いと綱渡り芸人」におけるアコーディオンの叙情的なイントロとエンディングは、後にジョアン・ボスコ自身がチャップリン作曲の「スマイル」を用いた手法と似ている。セザル・カマルゴ・マリアーノの編曲センスが堪能できるナンバーといえるだろう。一方「或る女」は作者のジョイス自らがギターで参加している刹那的で美しくもはかない曲。ジョイス自身による録音が「フェミニーナ」やエリス・レジーナへの追悼作品「宇宙飛行士」に収められているので是非聴き比べていただきたい。
8曲目「悪魔のボレロ」はギンガとパウロ・セザル・ピニィエロの共作。美しいバックコーラスとまったりとした伴奏の中で朗々と歌うエリス・レジーナの声に胸が詰まる思いがする。9曲目「できそこないの風景」はドリヴァル・カイミの息子ダニーロ・カイミ作曲。テンポよい展開の中に深遠な世界観が表現されている。10曲目「表と裏」はあまりにも寂しい曲。エリス・レジーナの歌声はセザル・カマルゴ・マリアーノのピアノ、ルイザォン・マイアのベースと絡み合い悲愴な終焉を迎える。
Elis Regina : voz Edmundo Maciel : trombone
Cesar Mariano : piano Yamada : piano
Joyce : violao Helio Delmiro : guitarra
Luizao : baixo Paulinho Braga : bateria etc.
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