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秋に思う(エッセイ)

  

秋はよく読書の秋、食欲の秋等とポジティブな表現がされる。でも、夏が終わり日も短くなる秋はどちらかというと鬱々とした気分になりがちなのではないだろうか。

・・・ 思い出話をしよう。何時が夏の終わりか知るよしもなく、気づけば、蹌踉(そうろう)と日暮れの秋風の道を....。そんなことがあってから私は用心深くなって、日毎、人がコーヒーに入れる砂糖の数まで数えるようにしてきたが、その為にかえって恋人の心変わりを早めたかも知れない。ロダン美術館の秋の庭に木の葉を踏みながら彫刻相手の独り言して。つまるところ恋は戻らない。灰色の空模様だというのだ。 ・・・

城達也がミスターロンリーかなんかを流しながら朗読したヘンテコな文章。人がコーヒーに入れる砂糖の数まで数えるなんて、なんてクダラナイんだと思っていた中学時代。でも人は孤独でありながら、孤独に耐えられない。ばかばかしくもくだらない事に日々一喜一憂している。秋の夕暮れに感傷的になり、相手の何気ない仕草に落ち込んでみたりする。

城達也が担当したジェットストリームは1967年から27年間続けられ、1994年12月に終了。そして、翌年2月25日には城達也は他界した。享年63歳。

今日、ビル・エバンスを聴きなおしてみた。彼の一生はバカバカしくもくだらない一面を持っている。でも、繊細ではかない破滅的な美しさを持っている。なんと間の抜けた表裏一体性。さながらコーヒーに入れる砂糖の数を数えるかのように、美しい時は戻らない。灰色の空模様だというのか?

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コラム・エッセイ | Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年10月01日  posted by 日向葵
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