![]() Time Remembered Tribute to Bill Evans |
Jazz-Piano : ★★★★★
ギル・ゴールドスタイン、2000年12月7日、ニューヨークのカレントサウンドスタジオでの録音。タイ トル通りトリビュート作で、ビル・エヴァンスゆかりの曲がセレクトされている。一聴してビル・エヴ ァンスへの敬愛に溢れた作品だが、タイトルとジャケット写真に騙されてはいけない。本作はギル・ゴールドスタインの奇才振りが常に見え隠れしている隠れた名盤である。ちなみにサイドメンバーも豪華 で、ベースはジョン・パティトゥッチ、ドラムスはアル・フォスターが務める。
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ジャズ界に革命的な足跡を残した白人アーティスト、ビル・エヴァンス。1950年生まれのギル・ゴールドスタインにとって1980年に亡くなったビル・エヴァンスは、正にリアルタイムに存在していたジャズ界の至宝といえるだろう。実際に仕事をした事もあったようで、ギル・ゴールドスタインの著作「ジャズコンポーザーズコンパニオン」の監修と序文はビル・エヴァンスによるものらしい。マンデーナイトオーケストラでギル・エヴァンスをうならせたギル・ゴールドスタインの知的で創造性に溢れるプレイのルーツがビル・エヴァンスにあったとしたら?そんな疑問に答えてくれるのが本作品である。
全体的にしっとりとしていてリリシズムに溢れている、それでいて美しくもはっとさせられるコード進行はビル・エヴァンスを連想させずにはいられない。1曲目「タイム・リメンバード」や6曲目「ユア・ストーリー」等はその典型で、最終曲の「ワルツ・フォー・デビィ」へと導かれる。ここでギル・ゴールドスタインはピアノをアコーディオンに持ち替え、独奏でビル・エヴァンスへの想いを語る。感動のクライマックスといえるだろう。
しかし、本作が他に山ほどあるビル・エヴァンストリビュート作品と全く異なっているのは、単なるビル・エヴァンスのカヴァー集でもなければ、ビル・エヴァンスのコピー演奏アルバムでもないところにある。それは5曲目「ルース・ブルース」、7曲目「12トーン・チューン」等に現れている。「ルース・ブルース」は名の通りブルース形式を逸脱しつつもブルース調に作られた曲で、ネットリとしたジョン・パティトゥッチのベースとアル・フォスターのレガートがギル・ゴールドスタインのピアノと絡み合い聴くものを離さない魅力を持っている。一方、7曲目「12トーン・チューン」はシェーンベルクの12階音楽を応用したビル・エヴァンスの曲。既成音楽理論を否定した上での調和という難題に更なる新しい解釈を与えている。
実験的で創造性溢れる編曲と演奏をしておきながら、聴くものに難解さを感じさせない。聴くたびに新しい発見がある。正に名盤といえると思う。
Gil Goldstein : piano John Patitucci : bass Al Foster : drums
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