銀の旋律〜インド古典音楽〜
-2007/11/26 下北沢北沢タウンホール-
インド古典音楽を聴きに下北沢の北沢タウンホールへ行ってきた。先日の東洋大学インド祭でもインド古典音楽を聴いてきたばかりなので、ちょっとは耳が慣れているだろうか?いや、前回はヴァイオリンのスブラマニヤムによるもので、古典といっても亜流なのではなかろうか。それはそれで満足した。しかし今回は、バーンスリーとタブラ、シタールとタブラというオーソドックスなスタイルのようだから、また違った色合いを出すに違いない。
いわゆるインド古典音楽は北インドで盛んだという話をサラーム海上氏の著作「Planet India」で読んだ事がある。ヒンドゥー教の文化の象徴かと思っていたが、実は中世になって流入したイスラム文化の影響も多分に受けているらしい。様々な事象に対して思いを込める「ラーガ」と呼ばれるものを表現し、3000種類ものラーガが存在するらしい。各ラーガには表現法にルールがあり、それに従った形でインプロヴィゼーションを行う。
プログラムによるとステージは2部構成になっていた。1部が「ラーガ・カマージ 夜のラーガ」と題し、寺原太郎(バーンスリー)、オビジット・ベナルジー(タブラ)、阿紀(タンブ−ラー)、北見智美(タンブーラー)による演奏。2部が「夜のラーガ」と題し、アミット・ロイ(シタール)、オビジット・ベナルジー(タブラ)、菅井国夫(タンブーラー)、関口祐一(タンブーラー)による演奏。「※演奏ラーガは、その日のムードにより、主演者が決定します。」なんて書いてあるところがイイ感じだ。
1部はバーンスリーという木管、2部はシタールという弦楽器がそれぞれタブラと掛け合いをする。まろやかな音色のバーンスリーと細やかな音色のシタールは好対照で、両演者の世界観が即興により提示される。それに反応し、あるいはそれを刺激する形でタブラが入ってくる。始めゆるゆると開始した演奏は1曲40分位の時間をかけてスピーディーでエキサイティングに展開していく。複雑でありながら誘引力を持っているリズムには複雑さが感じられない。微分音や倍音は鮮やかなダイナミズムを持って爪弾かれ、息を呑んで時の経つのを忘れさせる。津波に飲み込まれるような衝撃的な演奏は、終演した今でも鮮烈な記憶として残っている。
最後に本公演の演奏者であり、共演者との素晴らしいエピソードを語って頂いた寺原太郎氏に感謝の意を表したい。あのエピソードが無かったらこの素晴らしい体験をみすみす逃してしまっていたのかもしらないのだから。
寺原太郎:バーンスリー オビジット・ベナルジー:タブラ 阿紀:タンブーラー 北見智美:タンブーラー
アミット・ロイ:シタール オビジット・ベナルジー:タブラ 菅井国男:タンブーラー 関口祐一:タンブーラー
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