昨今ユーロジャズが台頭している。アメリカのシーンを飲み込む
と言ったら言い過ぎだが、ヨーロッパ産ジャズへの関心がとても
高いのは紛れもない事実である。ECMやドレフェスといった
ヨーロッパのレーベルはそれぞれのテイストを全面に押し出して、
リスナーの評価を得ている。いろいろ手を出しレーベルの個性が
見えにくくなっているアメリカのレーベルとは対照的といえる。
そんなヨーロッパでも北欧は一風変わったジャズを聴かせるのが
特徴でECMのクリスタルサウンド等は代表的な例かも知らない。
今回紹介するのは、北欧はスウェーデン出身のジャズピアニスト、
ヤン・ラングレンである。彼もやはり非常に個性的な存在である。
それは選曲を見ただけでも感じられるかも知らない。この御時世、
バップをやるというだけでもなかなか関心させられるではないか。
既に多くのビッグネームによってやり尽くされた感があるバップ。
多くのアーティストが新たなジャンルに解釈の幅を求めたのに対し
ヤン・ラングレンは敢えてこのバップの世界に解釈を求めたのだ。
こう書くと頑固一徹な印象になりそうだが、それではこんな事は
出来ない。むしろ柔軟でスマートな発想こそが求められるわけで、
ヤン・ラングレンは非常にスマートなアレンジと演奏を披露する。
スタンダードな曲をストレートアヘッドなジャズの演奏で。でも、
それでいてどこか新しさを感じさせる様は彼の柔軟な解釈ゆえだ。
また、ニューヨークで現地のリズム隊をメンバーに入れた編成も
非常に良い。どこかヨーロッパとアメリカの競演といった様子で
熱い演奏が展開している。特に、リニー・ロスネス(p)の夫である
ビリー・ドラモンド(ds)の絡みつくようなドラミングは、ネットリ
していてエロティックですらある。ハード・バップの世界に新たな
解釈を与えてくれたヤン・ラングレンに今こそ敬意を示したい。
| 1.Blues for raz (ブルース・フォー・ラズ) 2.Love you madly (ラブ・ユー・マッドリー) 3.Willow weep for me (ウィロー・ウィープ・フォー・ミー) 4.Cleopatora's dream (クレオパトラの夢) 5.A touch of you (タッチ・オブ・ユー) 6.Midnight Waltz (ミッドナイト・ワルツ) |
7.The time is now (タイム・イズ・ナウ) 8.While my lady sleeps (ホワイル・マイ・レディー・スリープス) 9.Tranquille (トランクイル) 10.Fingers (フィンガーズ) 11.Lotus blossom (ロータス・ブロッサム) |
Peter Washington : bass Billy Drummond : drums
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