タイトル曲「Concierto」は盲目のギタリストで作曲家でもある
スペインのホアキン・ロドリーゴが腐心の末に完成させた協奏曲、
「ギターとオーケストラのための協奏曲(アランフェス協奏曲)」
(1939年完成)に由来する。
弱音器であるギターをオーケストラの中にどう生かすかに関して
並々ならぬ苦労の末に結実した作品で、クラシック界に留まらず
多くのギタリストが取り組む事を夢見る名曲として有名である。
特に第二楽章はその美しいテーマが度々ピックアップされる為、
「アランフェス協奏曲」の代名詞といえる存在になっている。
ジャズでもマイルス・デイビスが「スケッチ・オブ・スペイン」で
取り上げたのを皮ぎりに多くのアーティストが着手している。
一方、多くの演奏がホアキン・ロドリーゴの協奏曲への意を汲み、
オーケストラを背景とした協奏曲の形で演奏をしているのに対し、
ジム・ホールは本作で敢えてコンボ形式での演奏を試みている。
この斬新な発想に誰しも驚くと思われるのだが、聴いてみれば
非常に理にかなった編曲であるということが直ぐに分かると思う。
協奏曲にこだわり続けたホアキン・ロドリーゴが提示した命題に
ジム・ホールはコンボ形式という対称的な方法論で返答した訳だ。
非常に分かりやすいポップなアレンジではあるが、全体に渡って
漂うブルージーな雰囲気は彼独自の解釈の賜物といえるだろう。
また、最終曲である「Concierto」に至るまでの3曲(アナログ盤
では、A面に3曲、B面に「Concierto」が収められていた。)も
「Concierto」への序章として一貫したコンセプトでアレンジされ
ているのが感じられる。
チェット・ベイカーとポール・デスモンドのくすんだ音でのリード、
スティーブ・ガッドの低反発にチューニングされたドラム、うねる
ようなロン・カーターのベース、マットで沈んだトーンが際立つ
ジム・ホールのギターは、ドン・セベスキーの編曲による最終曲
「Concierto」へと誘われていく。
| 1.You'd be so nice to come home to (ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥー・カム・ホーム・トゥー) 2.Two's Blues (トゥーズ・ブルース) | 3.Answer Is Yes (アンサー・イズ・イエス) 4.Concierto de Aranjuez (アランフェス協奏曲) |
Jim Hall : guitar Roland Hannna : piano
Ron Carter : bass Steve Gadd : drums
Amazon紹介ページはこちら
リンク1:アランフェス協奏曲
リンク3:アランフェス協奏曲
リンク5:アランフェス協奏曲(DVD-audio)
リンク6:アランフェス協奏曲(Hybrid SACD)
人気Blogランキングに一票いれる!

.jpg)
TBありがとうございます。
Jim Hallについては、Hampton Hawesの
「All Night Session」を聴いていて興味をもっていました。
「Concierto」を一度聴いてみます。
また、時々お邪魔します。
*こちらからもTBさせていただきました。
「Concierto」はCTIレコードが誇るセールスを記録しただけあって、名盤の誉れ高い傑作です。Jim Hallのギターが最終曲「アランフェス協奏曲」へ向かって次第によりブルーでメランコリックになっていく様は一つの組曲を演奏しているかのようです。どうぞお聴きになってみてください。
思っています、いろんな情報 非常に 参考になりました ありがとうございます。
ジム・ホールのギターは個性派揃いのジャズギター界においても一際異彩を放っているように感じます。仰られるとおりギターの長所も短所も知り尽くした上でギターの可能性を追求したアーティストで、都会的なセンスを感じさせるフレーズがあるかと思うと、泥臭いラインを弾いたりもします。展開が読めてしまうのに納得させられてします。そんなところに歯がゆく感じつつもまた針を元に戻してしまう。本当に操っているのはギターではなくリスナーの心なのかもしりませんねw