ユーロ・ジャズという言葉が適切なのか正確なところは良く分からない。
しかし、このドイツ出身のジャズ・ピアニスト、フランク・カステニアー
は、この作品の前からヨーロッパを代表する隠れた名ピアニストとして知る人ぞ知る存在だった。
いわゆるミュージシャンズミュージシャンである。
ケルンの西ドイツ放送(WDR)ビッグバンドのピアニストとして25枚
のアルバムを残し、少なからず著名なアーティストとの共演を重ねて来
たフランク・カステニアー、満を持しての初リーダー・アルバムである。
その共演者及びプロデューサーの役を買って出たのがティル・ブレナー。
兄弟とも言うべき親しい間柄を自負する2人の共同作業はアットホーム。
フランク・カステイアー自身の曲はタイトル曲の「フォー・ユー」のみで、
スタンダード曲を並べてはいる。しかし、フランク・カステイアーの斬新
な解釈は、ともすれば難解過ぎそうな気もした。ところがこれがまるで、
コンテンポラリーミュージックを聴くかのようにすんなりと耳に馴染む。
ピアノのソロ曲、ピアノトリオの演奏、ティル・ブレナーのトランペット
との共演、ストリングスとの共演。聴き応え十分の出来栄えである。
特にストリングスの使い方は素晴らしい。弱音器ピアノの音を
飲み込むようなことは決して無い。バックで微かに聴こえるのみのストリングス。
その控えめさが妙に知的に感じられる。
内に秘めた熱き思いをストレートに出す演奏も素晴らしい。
しかし、理性を介して投影されたものを楽しむのも素晴らしい。
いや伝達という意味では、その方がよりリーズナブルなのかもしらない。
本作をしてフランク・カステイアーの想いは昇華し、
トップアーティストとしての確固たるポジションを築いた。
「ここ10年間で最も重要なドイツ・ジャズ作品」
ドイツ・ジャズゼティック誌はこの作品をしてこう評している。
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1.The way you look tonight (今宵の君は) 2.Mensch (メンシュ) 3.I'll never smile again (アイル・ネヴァー・スマイル・アゲイン) 4.Bei dir war es immer so shon (バイ・ディア・ヴァー・エス・インマー・ ゾー・シェーン) 5.Someday my prince will come (いつか王子様が) |
6.Berlin,Dein Gesicht Hat Sommersprossen (ベルリン・ダイン・ゲズィヒト・ハット・ ゾンマーシュヒブロッセン) 7.For You (フォー・ユー) 8.Alone again (アローン・アゲイン) 9.Body and soul (ボディ・アンド・ソウル) |
John Goldsby : bass Hans Dekker : drums
Till Bronner : trumpet ,flugrlhorn Tim Lefebvre : bass
Deutsches Filmorchester Babelsberg : string section

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