「ア・ジプシー・レジェンド(A Gypsy Legend)」は、シャバン・バイラモヴィッチ(Šaban Bajramović)が2001年にワールド・コネクションよりリリースした作品。編曲及び演奏は、モスタル・セヴダ・リユニオン(Mostar Sevdah Reunion)。モスタル・セヴダ・リユニオンのプロデューサー、ドラギ・シェスティッチ(Dragi Šestić)が、ユーゴスラビア紛争の余韻の残る中、6か月に及ぶ捜索の末にシャバン・バイラモヴィッチを見つけ出し録音にこぎつけた。
「ブルース」カテゴリーアーカイブ
Jo da Babylonia – Beauty & Stupid (2013/11/19)
小洒落た人の集まる気取った街は、11月にもなると、クリスマスの準備で忙しそうだ。
大掛かりで派手なイルミネーション、巨大なツリーや雪だるまにサンタクロース。
赤と緑と金色が、ライトアップされた光に照らされて目に飛び込んでくる。
冷たい風が吹く中、行き交う人達は、暖かそうなコートを身に纏い、談笑しながら歩いている。
生活の匂いのしない、この小綺麗な雰囲気が、現実を忘れさせ刹那の安堵を与えるのだろう。
ここはテーマパーク。行き交う人の街。住人には外来者をもてなす義務があるのだろう。
大通りから裏路地に入り、地下へ降りると、現実に引き戻された思いがした。
Jo da Babylonia – Beauty & Stupid (2013/09/08)
そこへ向かおうと家のドアを開けると、今にも泣きだしそうな陰鬱な天気だった。
間もなくすると、小雨は激しい大雨となった。お洒落を気取った人達が集まる街で、
着飾った人達が、不意の大雨に一張羅を台無しにする様は、どうにも気の毒だった。
道は川のようになり、人気の無くなった大通りをぽつねんと歩いて、店に入った。
青江三奈 – 盛り場の女を唄う (1974)
「盛り場の女たちを唄う」は、青江三奈が1974年にビクターよりリリースした作品。ブルースを中心に、タイトル通り、盛り場の場末感溢れる楽曲が、青江三奈のハスキーヴォイスによって歌われる。正に、酔客接待の日々に疲れた夜の女性が、酒焼けした声に己が情念をぶつけているようである。そこにしっとりと彩を添えるのは芥川隆行のナレーション(MC)。甘く切なく、そしてクサイ台詞を淡々と語るその調子は艶やかで、艶めかしい歌に盛り場の虚しさを唄う枯れた青江三奈の歌唱と好対照である。バックを務めるのはビクター・オーケストラ。
藤圭子 – 女のブルース (1970)
「女のブルース」は、藤圭子がRCAビクターより1970年7月5日にリリースしたセカンドアルバム。20週に渡ってオリコンLPチャート連続1位を獲得したファーストアルバム「新宿の女 “演歌の星”藤圭子のすべて」から僅か4か月後にリリースされた本作「女のブルース」は、17週に渡ってチャート連続1位を保ち、入れ代わり立ち代わり2作で計42週連続1位という記録を打ち立てた。「新宿の女 “演歌の星”藤圭子のすべて」がカヴァー曲中心だったのに対し、本作「女のブルース」は全曲がオリジナル。作詞家:石坂まさを氏と、歌手:藤圭子の世界観が如何無く発揮されている。