東京キューバン・ボーイズ – オン・ステージ~日本の古典芸術~ (1972)

見砂直照と東京キューバン・ボーイズ「オン・ステージ~日本の古典芸術~」(1972)

「オン・ステージ~日本の古典芸術~」は、見砂直照(みさごただあき)と東京キューバン・ボーイズが、1972年に日本コロムビアよりリリースした作品。東京キューバン・ボーイズの名称を越えて、キューバ音楽に止まらず更なる表現を追求していった意欲作で、日本の古典や民謡を当時最新の方法論を用いて表現している。全曲の編曲を担当しているのは前田憲男。2012年12月5日に日本コロムビアの「Dig Deep Columbia」シリーズの第3弾として初CD化された。「Dig Deep Columbia」シリーズ第3弾では、見砂直照と東京キューバン・ボーイズ「Holiday In Okinawa 組曲”あがらうざ” ~沖縄民俗詩~」(1971年)も同時リリースされている。

一曲目の「さくらさくら」は、最も有名な日本の歌曲ではないだろうか。日本古謡とされる事が多いが、幕末に作曲され、明治以降に現在の歌詞がつけられたようだ。二曲目の「刈干切唄」は、宮崎県高千穂や五ヶ瀬地方の民謡で、「春の山焼き」に対して、「秋山の草刈り」と呼ばれる毎年10月頃に山の斜面の雑草を刈り取る農作業で歌われる労働歌である。三曲目の「鹿の遠音」は、本曲と呼ばれる本来尺八のみで演奏される楽曲で、二管吹きあわせによって二匹の鹿が鳴き交わす様子を表現する。四曲目の「八木節」は、群馬県民謡。由来については、栃木県八木宿における堀込源太の歌唱をはじめとして様々な説がありよく分かっていない。粋な源太を表現した軽快な囃子方が特徴である。

五曲目の「元禄花見踊り」は、「牡丹蝶扇彩(ぼたんにちょうおうぎのいろどり)」という歌舞伎・日本舞踊の演目・長唄の曲の一部である。明治十一年、守田勘彌(もりたかんや)による新富座公開に際し初演された。六曲目の「江差追分」は、北海道桧山郡江差町を発祥とする民謡で、無形民俗文化財及び北海道遺産となっている。長野県の「信濃追分」が、新潟県「越後追分」、山形県「酒田追分」、秋田県「本荘追分」を経て、北海道で「松前追分」「江差追分」へと伝わったといわれている。七曲目の「六段」は、段物と呼ばれる箏曲で、各段52拍子の六段構成。八橋検校による作曲で、歌を伴わない純器楽曲である。八曲目の「阿波踊り」は徳島県民謡で、起源は不明。連と呼ばれる集合体で踊り、男踊りと女踊りがある。2拍子で、様々なテンポが連の特徴を生み出す。

見砂直照は、日本民俗芸能の近代化と伝承をコンセプトに、東京キューバン・ボーイズにおける日本古典・民謡の演奏に取り組んだ。その録音は、今聴いても驚くべき迫力で我々に訴えかけてくる。

01 さくらさくら 日本古謡; 前田憲男
02 刈干切唄 宮崎県民謡; 前田憲男
03 鹿の遠音 黒沢琴古; 前田憲男
04 八木節 群馬県民謡; 前田憲男
05 元禄花見踊り 三代目杵屋正次郎; 前田憲男
06 江差追分 北海道民謡; 前田憲男
07 六段 八橋検校; 前田憲男
08 阿波踊り 徳島県民謡; 前田憲男

沢井忠夫: 琴
宮田耕八朗: 尺八
見砂直照と東京キューバン・ボーイズ

  • 1972
  • Columbia
  • NCB-7016

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