「ライク・サムワン・イン・ラブ」は、アート・ブレイキー・アンド・ザ・ジャズ・メッセンジャーズが、
Englewood CliffsにあるVan Gelderスタジオにて、1960年8月7日と14日に録音した作品である。
しかし、本作がBlue Noteレーベルよりリリースされたのは1966年で、タイムラグがある。
本作でのジャズ・メッセンジャーズ構成メンバーは、リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、
ボビー・ティモンズ(pf)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds)である。
ウェイン・ショーターを音楽監督に迎えて一番円熟した時期のジャズ・メッセンジャーズ
といってもよいのではないだろうか。5人全員が正にトップアーティストで、
これだけの奏者を豪華に用い、それぞれの個性を引き出しながら、
落ち着いた非常に統一感のある作品となっている。
ボビー・ティモンズの長いピアノ独奏から、ジミー・メリットのベースが入り、
そして、リー・モーガンとウェイン・ショーターによる2菅のユニゾンが入ってくる
「ライク・サムワン・イン・ラブ」イントロの編曲は非常に凝っていて洒落ている。
「スリーピング・ダンサー・スリープ・オン」は、スローテンポの3拍子の曲。
テーマではリー・モーガンとウェイン・ショーターのユニゾンが美しい。
ソロ回しは、トランペット-テナーサックス-ピアノと続く。
踊り疲れたダンサーが、ホールの椅子でウトウトと首を傾けている情景が浮かんでくるようだ。
「ジャイアンティス」は、アルバムの締めを飾る曲に相応しい壮大な曲。
1曲目「ライク・サムワン・イン・ラブ」から最終曲「ジャイアンティス」へと
盛り上がっていく様は、妙な表現だが、何とも滑らか。
この小洒落たアルバムが録音から6年近くも倉庫に眠っていたというのは、
今から考えても勿体無く感じる。
01 | Like Someone in Love | Johnny Burke; Van Heusen |
02 | Johnny’s Blue | Lee Morgan |
03 | Noise in the Attic | Wayne Shorter |
04 | Sleeping Dancer Sleep On | Wayne Shorter |
05 | Giantis | Wayne Shorter |
06 | Sleeping Dancer Sleep On [Alternate Take] | Wayne Shorter |
Lee Morgan; trumpet, flugelhorn
Wayne Shorter; tenor saxophone
Bobby Timmons; piano
Jymie Merritt; bass
Art Blakey; drums
- 1960
- Blue Note
- BST 84245