ノボス・ナニワーノス – Novos Naniwanos (2008)

ノボス・ナニワーノス「ノボス・ナニワーノス」(2008)

ノボス・ナニワーノスがショウトクレコードより2008年にリリースしたファーストアルバム。
愛するが故に大阪の現状を憂い、大阪人を励まし、大阪の素晴らしさを啓蒙すべく活動する。
その音楽は底抜けに明るく楽しい。踊らずにはいられない強烈な誘引力を持っている。
ジルベルト・ジルの知己、カエターノ・ヴェローゾの息子モレーノ・ヴェローゾとの共演、
「Fashon Rio」のBGM、大手TV局「Globo」、「MTV Brasil」、「Reuter Brasil」でも
取り上げられる等、日本よりブラジルで有名な存在となっている。

大阪を表現する方法を模索し世界中を旅し渉猟した結果、辿り着いたのが、
ブラジルのフレーヴォ・バイアーノ。「トリオについていかないないのは死人だけ。」
と言わしめた、脳髄から理性を失わせる強烈楽天的マーチ音楽をベースに、
演歌のクサみと、ロックのダサさを織り込んだ楽曲。
実直で、時にシニカル且つ自虐的で、幻想的な文学表現が、喜怒哀楽を経て、
希望、そして、時に絶望へと昇華される歌詞。
音と言葉のうねりがDNA二重螺旋構造のように絡み合い、音楽として提示されるのだ。

これは巷のカフェで流れるオシャレなラウンジミュージックたるブラジル音楽ではない。
生々しい素のままの情念を恥ずかしげもなくさらけ出し、大阪人の魂を表した音楽である。
しかし、芸術とはそういうものではなかったか。本質を如何に表現するか。
大いなるテーマが失われた昨今の表層文化の軽薄さに対する、この強烈なアンチテーゼを前に、
真の幸福とは消費を刺激するために押し付けられた画一的幸福像とは異なるもので、
十人十色の幸福像を探求するべきなのだと訴えているようにすら思える。
底抜けに明るい音楽は、楽しいという事が如何に幸福であるかを聴くものに教えてくれる。

01 新しいナニワ; Naniwa Nova Keniti Naniwano; Mestre Toru Naniwano; Novos Naniwanos
02 大改装; Reforma Total Keniti Naniwano; Mestre Toru Naniwano; Novos Naniwanos
03 試してみよう; Vamos Pravar Keniti Naniwano; Mestre Toru Naniwano; Novos Naniwanos
04 御堂筋線; Linha Midoosuji Keniti Naniwano; Mestre Toru Naniwano; Novos Naniwanos
05 おめでとう; Parabéns! Keniti Naniwano; Novos Naniwanos; Novos Naniwanos
06 ナニワの呪い; Praga De Naniwa Keniti Naniwano; Mestre Toru Naniwano; Novos Naniwanos
07 大阪おんな; Mulher De Osaka Keniti Naniwano; Mestre Toru Naniwano; Novos Naniwanos

Ai Naniwana: Caixa; Hi-Hat; Cymbal; Coro
Miyan Naniwano: Surdo; Cymbal; Pandeiro; Coro
Nobi Naniwano: Baixo; Coro
Kanami Naniwana: Sintetizador; Piano Elétrizado; Cavaco; Coro
Mestre Toru Naniwano: Guitarra Baiana; Guitarra; Sintetizador; Tamborim; Coro; Programação
Keniti Naniwano: Voz; Cymbal Solo; Agogo; Soro; Letra

  • 2008
  • Shotoku Records
  • STCD-001

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