小洒落た人の集まる気取った街は、11月にもなると、クリスマスの準備で忙しそうだ。
大掛かりで派手なイルミネーション、巨大なツリーや雪だるまにサンタクロース。
赤と緑と金色が、ライトアップされた光に照らされて目に飛び込んでくる。
冷たい風が吹く中、行き交う人達は、暖かそうなコートを身に纏い、談笑しながら歩いている。
生活の匂いのしない、この小綺麗な雰囲気が、現実を忘れさせ刹那の安堵を与えるのだろう。
ここはテーマパーク。行き交う人の街。住人には外来者をもてなす義務があるのだろう。
大通りから裏路地に入り、地下へ降りると、現実に引き戻された思いがした。
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Jo da Babylonia – Beauty & Stupid (2013/09/08)
そこへ向かおうと家のドアを開けると、今にも泣きだしそうな陰鬱な天気だった。
間もなくすると、小雨は激しい大雨となった。お洒落を気取った人達が集まる街で、
着飾った人達が、不意の大雨に一張羅を台無しにする様は、どうにも気の毒だった。
道は川のようになり、人気の無くなった大通りをぽつねんと歩いて、店に入った。